2021-10-19

SmartMatCloudにおけるAPI連携を利用したFax発注の紹介

yoneyama

はじめに

バックエンドエンジニアのyoneyamaです。 今回は、弊社在庫管理プロダクトのSmartMatCloud(以下SMC)でのFax発注について紹介していこうと思います。

なぜFaxなのか?

SMCでは発注方法として、メール発注、Fax発注やその他特定の発注プラットフォームへの自動発注機能を提供しています。 最も多く利用されているのはメール発注ですが、その中でFax発注も一定の利用数があります。 私自身でもFax発注が多く利用されているのは意外だったのですが、以下資料でも報告されているとおり、企業においてFaxでの発注は未だなお根強く利用されており、SMCでもそのニーズに応えてFaxでの自動発注を実現する必要があります。

経営診断ツールの認知・活用状況及び、決済・資金調達の実態に関する調査 図表 84 従業員規模別に見た発注方法 https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/itakuhoukoku/05.pdf

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Fax発注は例えば近いうちに別の発注方法(メールだったり、システム導入によるWeb発注等)に置き換えられていくのではないの?と疑問に思うかもしれませんが、発注という業務については関係者が社内にとどまらず社外にもいること、また多くの場合はその社外関係者も多岐にわたることから、置き換えのコストは非常に高いものになる場合が多いと想定されます。 以上の点から、やはりしばらくのうちはFaxでの発注の基盤はそう簡単には揺るがないのではないかと考えています。

どうやって実現するのか?

Faxを送信する処理をスクラッチで実装するのはあまりに非現実的なのでどうするかというと、インターネットFaxのSaaSを利用するのが現実的な解決策です。 インターネットFaxは従来のFaxのように電話回線を使うのではなく、インターネット回線を利用してFax送信をするという仕組みです。 SMCではプログラムからFax送信のリクエストを行いたいため、Web API(or Web APIに準じた)連携が可能である、という条件でインターネットFaxのサービス探したのですが、調べれば調べるほど様々なサービスが出てくる印象がありました。 また、Faxというものの性質からか開発者視点で比較検討された情報はほとんどない印象を受けました。 そこで、SMCで利用してきたインターネットFaxのSaaSの特徴について記載して行こうと思います。

利用したインターネットFax

eFax (https://www.efax.co.jp/)

Googleにて「インターネットFax」で検索して最上位に表示されることからも、知名度やシェアが高いサービスであると見受けられます。 連携手段としては、送信するFax番号@efaxsend.comをメールのToとして設定し、添付ファイルにFaxの内容を添付するというものでした。 しばらくのうちはこちらで運用していたのですが、Faxの送信に失敗した場合に手動で送信を行う以外に対処する術がないのがネックでした。 Faxというものの性質上送信に失敗する場合は一定数あります(例:話し中など)。 しかし、お客様の発注をいわば代行しているわけなので、送信に失敗した場合に都度もれなくマニュアル送信するのは現実的なオペレーションではありませんでした(営業時間外ならなおさらです)。 そのため、リトライ機能の必要性に気づき、その機能を兼ね備えているインターネットFaxに移行する判断をしました。

Fax.Plus (https://www.fax.plus/)

eFaxから移行したのがFax.Plusというサービスです。 この比較ページをみても、まさにeFaxの代替サービスとしてマーケティングを打ち出しているのがよくわかります。 (こういうのって一応名前は伏せるイメージがあるけどここまで名指しにしていいのか) 連携手段としてはWeb APIが用意されているため、開発者にとっては好都合です。 また、比較の項目にもある通り、Fax送信に失敗した場合は3回までのリトライ送信を行う設定が可能であるため、当時の僕らの課題を解決してくれるサービスでありました。 ただ、運用をはじめてしばらくは安定していたものの、ある時期からFax送信の失敗が増えて結局マニュアルでの対応が増えたり、ヨーロッパの会社なのでサポート時間も私たちの業務時間とは差分があるなどの課題感が生まれてきました。 推測ではありますが、グローバルなサービスなので日本の番号への送信と相性があまり良くないといった事情はあったかもしれません。 今後SMCのサービスが拡大して外国番号への送信のニーズが出てきた際には再度候補に上がるかもしれませんが、また別のインターネットFaxサービスを選定する運びとなりました。

まいと〜くCloud (https://www.intercom.co.jp/faxserver/cloud/)

最終的にはこちらのサービスに落ち着きました。 Web APIでの連携が可能で、リトライも設定により50回まで可能です。 何より国内のサービスであることからか、非常に安定してFaxの送信に成功します。 前述の2サービスと比べると少し値が張る印象ではありますが、それに見合う価値はある印象です。

まとめ

Faxというものはブラックボックスな部分が多く扱いづらいのは否めないですが、現況を見る限りは今後もある一定の需要があるのは間違いがないので、うまく付き合っていきたいと思います。 また、同じようにWebからFax送信を試みている同士の参考になりましたら幸いです。

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